小学校高学年から中学校の生徒が、積極的なスポーツ活動をしているうちにひざ膝の前面(けいこつそめんぶ脛骨粗面部)(図1)に痛みや骨の隆起を訴え、よく外来を受診されます。その多くはオスグッド病と呼ばれる10代前半に好発する代表的なこったんしょう骨端症(成長期に起きる骨の病変)で、脛骨粗面のこったんなんこつ骨端軟骨に分離や遊離(骨が一部はがれること)が生じる障害です(図2)。  症状は、スポーツ時の膝前方部分の痛みや腫れでひどい時には通常の歩行時にも痛みを訴えることもあります。

 発生原因には色々な説がありますが現在ではスポーツなどによる"使いすぎ症候群"の一つされ、非常に広い意味での疲労骨折と考えても良いと思います。
 膝を伸ばす筋肉であるだいたいしとうきん大腿四頭筋(太ももの筋肉)は、ひつがいこつ膝蓋骨(お皿と呼ばれる骨)とひつがいじんたい膝蓋靱帯(お皿の下のすじ)を介し脛骨粗面に付着しています。したがってランニングやジャンプ動作により大腿四頭筋が収縮すると、膝蓋靱帯をとおして脛骨粗面に牽引力が繰り返しかかることにより骨端軟骨に隆起や剥離が起きます(図1)、これがオスグッド病です。

 診断は、痛みの部位とレントゲン写真により容易にできます。

 

(図1)膝関節伸展機構:大腿四頭筋、膝蓋骨、膝蓋靱帯、脛骨粗面に加わるストレス
(図2)オスグッド病のレントゲン写真:脛骨粗面より剥離した遊離骨片(→)
 治療は、痛みの程度やスポーツ時の障害の程度により異なります。もちろん非常に痛みが強い場合には一時的にスポーツを休止する必要がありますが、基本的には活動を続けながら治療を行います。軽症例では、消炎鎮痛入りの外用薬等で軽快しますがスポーツ活動時の痛みが続く時には脛骨粗面にかかるストレスを軽減する特殊なサポーターを装着する方法もあります。症状の程度に関わらず非常に大事なことは、スポーツ前後の特に活動後の大腿四頭筋のストレッチング(図3)です。さらにストレッチ後に、氷等で患部を冷却すると効果的です。
 オスグッド病による膝の痛みは、骨の成長が完了するに伴い軽減し将来障害が残りスポーツに支障をきたすことはほとんどありません(骨の出っ張りは残ります)。したがって充分知識を持ったコーチや指導者のもとであれば、普段のストレッチなどのケアーをしっかりし、痛みかひどくならないように練習量をコントロールすればスポーツを続けながら治療できます。

(図3)大腿四頭筋のストレッチング